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お知らせ

2021/09/20

築城則子 作品展

染織には人を魅了する不思議な力がある。
たった一枚の布や裂が、人生を変える、そんな出会いになることがあるのです。

今回ご紹介する築城則子さんも、そんな染織の不思議な力にみせられた一人。
骨董店で偶然出会った縞の古裂。木綿とは思えぬその艶やかな質感と、縞を基調とした色彩の表現…築城さんが魅せられたその古裂こそ、昭和初期に途絶えた小倉織でした。

小倉織は江戸時代頃より豊前小倉藩(現在の北九州市)の特産品として生産された綿織物。
その丈夫で良質な風合いから、主に武士の帯や袴地、また庶民の日常着として広がり、江戸末期の最盛期には、1日あたり袴地で400反以上生産されていたといいます。
しかし、時代の変化と工業化の波に飲まれ次第に衰退、昭和初期には完全に途絶えてしまいました。


築城則子さんは1952年、北九州市に生まれます。
早稲田大学入学後、研究の一環として観劇した能でその衣装美に衝撃を受け、大学を中退。染織研究所に入学し、染織の基礎を学びます。その後は沖縄県の久米島、信州の松本などで絣の技術を含めた紬織を学んでいきます。

そして、運命をかえる古裂との出会い。
築城さんと小倉織の運命の線が交わった瞬間でした。

その後2年以上の歳月を掛け研究・調査・試行錯誤を繰り返し、1984年ついに小倉織を復元。現代に生きる布として、小倉織が新たな産声を上げたのです。


小倉織の最大の特徴は、木綿と思えぬそのしなやかなで密な風合い。その秘密は経糸の本数(密度)にあります。

築城さんの小倉織は、経糸の本数が緯糸(横糸)の約3倍。約2300本もの経糸が織り込まれています。言葉にすればあっという間ですが、この密度を整経し手機で織り上げていくことは、並大抵のことではありません。

機に掛けた経糸が、綜絖(経糸を開口させる部分)を開くたび、擦れあい、強い摩擦を生みます。リズム・力加減・タイミング、そして織手と糸の呼吸を合わせなければ、織り進めることはできないのです。


築城さんの小倉織は、単なる過去の染織品の復元ではありません。

小倉縞独特の縞柄を基調としながらも、その色彩美、意匠性は単なる縞柄に収まらない、現代に生きる工芸としての新鮮さと味わいを感じさせてくれます。

織物とは思えぬ程、柔らかく広がりを見せる色彩。
時に大胆に…時に繊細に…様々な表情を見せる意匠。

縞を通して…自由と制約の中で表現される築城さんの世界観。
手掛けられた作品には、いつも手書きの題名が添えられています。


今回の作品展では、小倉織の帯地を中心に、2年以上の期間をかけ集めた、20点以上の作品をご用意しております。
手仕事の美しさ、木綿の温もり、そして築城さんのお人柄に触れて頂ければと思います。
皆様のご来場お待ちしております。


築城則子 作品展

【岡山会場】
と き 10月8日(金)‐10日(日) 午前10時‐午後19時 
     *最終日は午後17時まで
ところ ギャラリーホワイトキャンバス
     *岡山市北区表町1-6-38-2階
     *作家在場は8日・9日

【東京会場】
と き 10月18日(月)‐24日(日) 午前11時‐午後19時
     *初日は午後13時開場。最終日は午後16時まで
ところ 新井画廊
       *中央区銀座7-10-8
    *作家在場は22日・23日
      *銀座展併催(秋冬物の新作もご用意しております)

問合せ tel 086-801-0551
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    mail okimono@silk.plala.or.jp
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*基本的な感染症対策を行い開催しております。ご希望のお客様には、他のお客様とお時間が重ならないようにご予約を承ります。また三密を避けるため、ご入場をお待ち頂く場合がございます。ご理解ご協力の程、お願いいたします。

住所
岡山県岡山市北区天神町2-22
営業時間
午前10時~午後8時/定休日:火曜日
アクセスマップ
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TEL:086-801-0551
FAX:086-801-0552
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