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お知らせ

2020/06/14

柳晋哉 織物展

東京都世田谷区、閑静な住宅街の一角に、柳崇さんと晋哉さんの工房はあります。

民藝運動の父と呼ばれた柳宗悦の甥にあたる、柳悦博氏が崇さんの父であり、晋哉さんの祖父にあたります。
悦博氏から受け継いだ柳家の織と工房を、現在はお二人を中心にご家族で守られています。

「柳舎」と表札の掲げられたエントランスを抜け工房に入ると、使い込まれた高機や撚糸器が並び、染場を備えた土間が続いています。そして仄かに香る絹と染料の匂いが、ここで美しい手仕事が生まれている事を感じさせてくれます。

東京駅から工房まで眺めてきた都会の景色と工房のギャップに、最初は少し驚きましたが、回数を重ねる度、晋哉さんの作品から感じる都会的な空気は、やはりこの場所に工房があればこそなのだと思うようになりました。

そんな晋哉さんと初めてお会いしたのは七~八年前、お父様が出品をされていた京都の作品展での事でした。
当時二十代の自分より若く、作家として染織を生業とする人との初めての出会いに、驚きと嬉しさが込み上げてきたのをよく覚えています。


柳家の作品は、純国産の絹に拘り、糸の撚糸から、草木を主とした染め、整経や機織り、砧打ちなど、可能な限りの工程を工房でこなされています。

奇をてらわず、手間を惜しまず、美しい絹糸を、美しい作品に…
そんな手仕事が、今も淡々と積み重ねられているのです。

今回の個展の開催が決まり、晋哉さんから届く新作を、二年以上、毎月欠かさず拝見してきました。
お爺様、お父様から受け継いだ染織の基礎の上に、ご自身の感覚をどのように重ねていくのか…
25点の作品が揃う中で、“柳家の織”から“柳晋哉の織”への変化を私は感じています。

「どこにでもあり、誰にでもできそうな
しかしその人にしかできない様な、素直でちょっと素敵な作品を…」

そんなお父様の言葉のように、素直で瑞々しい感性にあふれた作品は
“柳晋哉”その人にしかできない織物なのです。


晋哉さんは現在33歳。
これからの染織の未来を担う、大変に貴重な存在です。

晋哉さんや私が、崇さんや父の年まで、今の仕事を続けさせて頂けるとして30年ほどでしょうか。
その時の、着物や染織を取り巻く環境はどうなっているのか。物づくりの現状を想い、想像すると少し怖い部分もあります。

けれども、手仕事を愛して下さるお客様と
人の心をうつ、美しい布の作り手はきっと残る。そんなふうにも思うのです。

そして30年後も、「一回目の作品展は、コロナで大変だったね。」と晋哉さんと笑い合える、
そんな関係が続いていればと心から思っています。

不安定な情勢が続いている中ではございますが、ほんの一時でも、美しい作品をご覧頂ければ幸いです。


柳晋哉 織物展
【東京会場】
と き 6月21日(日)‐27日(土) 午前11時‐午後19時
    *初日は午後13時開場。最終日は午後17時まで
ところ 新井画廊
       *中央区銀座7-10-8
       *銀座展併催・作家在場は21日・26日・27日

【岡山会場】
と き 7月10日(金)‐12日(日)
    午前10時‐午後19時
    *最終日は午後17時まで
ところ ギャラリーホワイトキャンバス
    *岡山市北区表町1-6-38‐2階
    *作家在場は10日・11日

*基本的な感染症対策を行い開催しております。ご希望のお客様には、他のお客様とお時間が重ならないようにご予約を承ります。また三密を避けるため、ご入場をお待ち頂く場合がございます。その際は近隣の喫茶にご案内させて頂きます。ご理解ご協力の程、お願いいたします。


染と織たかはし 東京銀座展の詳細はこちら
https://www.okimono.jp/info/info_detail/index/1160.html

 

住所
岡山県岡山市北区天神町2-22
営業時間
午前10時~午後8時/定休日:火曜日
アクセスマップ
お問い合わせ
TEL:086-801-0551
FAX:086-801-0552
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