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ルバース・ミヤヒラ吟子 首里織九寸名古屋帯(花織・淡若芽色)

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商品説明

現在も様々な染織の技法が受け継がれる沖縄にあって、ひと際格調高い織物である首里織。
元々は琉装と呼ばれる独自の衣装文化の中、琉球王朝時代の王族や士族など身分の高い人々の為に織られていたものです。沖縄の風土に適した軽やかな地風と、日本や中国、南方との交易によってもたらされた、様々な文化・技術を背景とした意匠(デザイン)が特徴的です。

王朝の庇護のもと様々な技術革新と発展を遂げた首里織ですが、明治に入り、王府の廃止と共に急速に衰退していきます。そして第二次世界大戦の戦火によって、一度はその歴史が途絶えかけますが、戦後、宮平初子(人間国宝)さんらの尽力により復興を果たしました。

ルバース・ミヤヒラ吟子さんは、1950年沖縄県那覇市生まれ。母である宮平初子さんの下で染織を学ばれます。1982年に「アトリエ・ルバース」を設立し独立。その後は沖縄県立芸術大学教授を務められるなど、後進の指導にも熱心に取り組まれています。
*ルバース・ミヤヒラ吟子さんは2018年12月にご逝去されました。


ルバース・ミヤヒラ吟子 首里織九寸名古屋帯(花織・淡若芽色)
光によって変化する、瑞々しい地色…

かつての琉球王朝の頃とは違い、現在は沖縄の様々な場所、そして作り手によって花織が手掛けられています。しかしそれらと見比べても、やはり吟子さんの首里織は圧倒的に美しい。織の精緻さはもちろん、デザインの奥深さ、糸質への強いこだわり…特に私は吟子さん特有の意匠美に強く心惹かれます。

首里織の伝統を基調としながらも、その色彩美、意匠性は単なる"伝統の踏襲"に収まらない、現代に生きる工芸としての、新鮮さと味わいを感じさせてくれるのです。


ルバース・ミヤヒラ吟子 首里織九寸名古屋帯(花織・淡若芽色)
美しい花織の艶感…

前置きが大変長くなりましたが、ルバース・ミヤヒラ吟子さんの首里織九寸名古屋帯です。
瑞々しい淡い若芽色の地に、「ひなまつり」と名付けられた文様が織り出されています。さらりとした軽やかな風合いの中に、糸質の良さを感じるふっくらとした織味が絶妙に同居し、心地よい肌触りです。

はじめてこういった織物をご覧になられるお客様からは、「これは紬ですか?」とよくお尋ね頂きます。同じ先染めの織物ですが、糸と織の違いによってその表現は様々。一般的なイメージで言えば、真綿糸の紬、ほっこりとした結城などが"紬らしい紬"でしょうか。 一方、吟子さんの首里織はその正反対。絹のもつノーブルな美しさを引き出したこの織物は、"王族や士族の為の…"という歴史を感じさせてくれる、品格ある仕上がりです。

きっと私の拙い文章と写真では、この首里織の美しさの半分もお伝えできていないと思います。ぜひお手に取って、手仕事の素晴らしさをご覧頂ければ幸いです。お手持ちのお着物とのコーディネイトなどお気軽にご相談下さい。


ルバース・ミヤヒラ吟子 略歴
1950年 沖縄県那覇市に生まれる
1973年 女子美術大学藝術学部卒業
    首里織染織家宮平初子工房入所
1977年 フランスゴブラン国立製作所開発研究室研修
1979年 首里織染織家宮平初子工房復職
1982年 アトリエ・ルバース開設
1983年 国画会会員
1986年 沖縄県立芸術大学非常勤講師
1987年 沖展会員
    国際服飾学会会員
1988年 沖縄県立芸術大学講師
1990年 沖縄県立芸術大学助教授
1991年 沖縄県指定無形文化財「本場首里の織物」技能保持者認定
1992年 沖縄タイムス芸術選奨大賞
1997年 米国メトロポリタン美術館客員研究員
2003年 沖縄県立芸術大学教授
2015年 沖縄県立芸術大学名誉教授
2018年 逝去


■お仕立てについて
弊店にて検品後、弊店の基準に合格した国内の熟練の和裁士さんにお仕立てをお願いしています。帯芯の堅さや、寸法のご相談などございましたら、お申し付けください。

■お手入れについて
日常のお手入れは、部分的なしみ落としで十分です。長期間の保存の前や、全体の汚れが気になる場合は、ドライクリーニングをお薦めしています。ご家庭での水洗いは出来ませんので、ご注意下さい。

■色について
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ルバース・ミヤヒラ吟子 首里織九寸名古屋帯(花織・淡若芽色)

【素材】
絹100%
【生地巾】
約34.5cm
【生地丈】
約3.7m
【価格】
売切御礼

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