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本場黄八丈 綾織着尺(まるまなこ・墨黒)

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商品説明

東京から南に約290㎞、伊豆諸島の最南端に浮かぶ常春の島、八丈島。自然豊かなこの島で、数百年もの昔から変わらず織り続けられている絹織物、それが本場黄八丈です。

黄、鳶、黒、全てが島の草木から染められる、黄八丈特有の美しい色彩。染材の採取から、糸染め、機織まで、その長い長い工程の全てが人々の手仕事によって受け継がれています。工業製品の溢れる現代にあって、この手仕事が積み重ねられた布のもつ輝きは、より一層増しているように思います。

黄八丈最大の特徴ともいえるのが、島の自然を移した美しい色彩です。黄染めには、コブナグサと呼ばれる(八丈島ではカリヤスと呼ぶ)植物、樺染めにはタブの木(八丈島ではマダミと呼ぶ)の皮を、黒染めには椎の木の皮が用いられます。

それぞれの染材から煮出した染料に、糸を漬け、乾燥させる。"下染め"と呼ばれるこの作業を、数十回繰り返した後、最後に発色を促す"媒染"を行います。黄染めと樺染めには、椿と榊の灰から作った灰汁(アク・媒染剤)を、黒染めは鉄分を多く含んだ沼の泥が用いられます。下染めを重ね糸に含まれた色素が、媒染によって色鮮やかに発色する様子はまさに魔法のようです。

染め上った糸は、水洗い、乾燥をすませた後、数年間静かに保存されます。これにより、糸の色むらが無くなり落ち着きのある色になるのです。そして糊付、整経と言った下準備を経て、ようやく機に糸がかかります。

黄八丈はすべて人の手によって織られています。緯糸を杼と呼ばれる道具で、上下に開口した経糸の間に通し、左右に移動させながら、リズムよく筬で糸を打ち込んでいきます。

織の技法は"平織"か"綾織"。綾織には数百もの種類があり、機についている「足」を踏み分け、綜絖(経糸を上下させる装置)を上下させることで織りだしていきます。めかご、市松、まるまなこ、風通崩し、足高貴、杉綾などが主流で、これに縞や格子を組み合わせて柄が織りだされます。


前置きが大変長くなりましたが、綾織で織り上げられた本場黄八丈です。
黒八丈とも呼ばれる深みのある地色に、細かな"まるまなこ"と呼ばれる地紋が織り出されています。

一言で黒八丈といっても、その色には随分と個体差があります。自然と人の手仕事のゆらぎ、そして地紋との組み合わせによってもその表情は様々。こちらの黒八丈は、真っ黒というよりも少し柔らかく、深い深い墨黒といった印象です。

シンプルな色柄だからこそ、素材の持つ質感と仕事の良し悪しが際立ちます。そして何とも言えない深い墨黒の地色は、様々な帯を受け止めてくれる大変に着回しの良い色です。掲載しております写真の様に、薄い色から濃い色の帯まで、様々なコーディネイトをお楽しみいただけるのではと思います。お手持ちの帯地とのコーディネイトなどお気軽にご相談下さい。


■お仕立てについて
弊店にて検品後、弊店の基準に合格した国内の熟練の和裁士さんにお仕立てをお願いしています。袷仕立てをご希望のお客様は、ご注文時に八掛の色目(地色共・ご希望の色等)と、無地か暈しのご指示をお願いいたします。寸法のご相談などございましたら、お気軽にお申し付けください。

■お手入れについて
日常のお手入れは、汚れやすい衿・袖口や裾等の部分洗いで十分です。長期間の保存の前や、シーズン終りなどには、ドライクリーニングをお薦めしています。ご家庭での水洗いは出来ませんので、ご注意下さい。

■色について
HP上の商品の色は可能な限り、現品に近づけてはおりますが、お客様のご使用のパソコン、OS、ディスプレイ(モニター)により色味が異なる場合がございます。何卒ご理解頂きますよう、お願いいたします。*パソコンで綺麗に表示されない場合、iphoneやスマートフォンからアクセスして頂くと、綺麗に表示される場合があります。

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本場黄八丈 綾織着尺(まるまなこ・墨黒)

【素材】
絹100%
【生地巾】
約40cm
【生地丈】
約12.5m
【価格】
売切御礼

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